【第4章:ダンゴ材①】

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»市販のダンゴ材:オススメは?《人気記事》
»混ぜ方:まずサナギ粉に水分を含ませる
»ヌカ:特徴と入手法、amazonで買うなよ
»砂:海砂、川砂、珪砂、アジャストサンド
»押し麦:業務用スーパーが最安か
»サナギ粉:細びきを選ぶ、芯残りしにくくなる効果
»アミエビ:強い効果と逆効果
»その他の集魚剤:ニンニクチューブは?
   





質問

 ダンゴ材はどのように用意すればいいですか?

回答

 1日だけお試しで紀州釣りをするならば釣具店で市販品のダンゴ材を買いましょう。紀州釣りを長く続けるのであれば自分で作ってしまえば安く済みます。

やさしい解説

・1日だけ紀州釣りを体験したい人にオススメのダンゴ材は?


 釣り場の水深が5メートル以下ならば、正直なところ市販の紀州釣り用ダンゴ材ならば何でもよいです。しかし釣り場の水深が5メートルを超えるならば紀州マッハ攻め深場がオススメです。


 実は市販されている大抵のダンゴ材の適応水深は4~8メートルくらいに設計されています。全国の堤防の平均水深がその程度だからです。だから5メートル以下の水深ならばどこのメーカーのどのダンゴ材を使っても構いません。「高集魚力!」とか「チヌを寄せる!」とか、謳い文句によって自由に買って良いでしょう。
 しかし5メートルを超える水深があるなら、ぜひ紀州マッハ攻め深場を使いましょう。このダンゴ材は初心者でも非常に握りやすく設計されており、初心者でも海底でダンゴを割らずに、ある程度保持することができます。

 海底で1分程度ダンゴを割らずに保持することは非常に重要なテクニックです。クロダイという魚は警戒心が強いせいか動きが鈍く、ダンゴに近づいてくるまで平均1分程度かかるのです。(下図参照)


 (平均1分というのは高活性期の話です。時季や場所によっては2~5分かかります)

 海底に着いたらダンゴを早く割るのは、エサ取りの少なかった昔の釣り方です。別に私はその釣り方を否定するわけではありません。昔ながらの釣り方の方が良い釣果を出すこともあるでしょう。しかし私の経験則として、ダンゴを海底で1分程度保持する釣り方の方がたくさんクロダイが釣れます。
 ということで、5メートルを超える水深ならば紀州マッハ攻め深場を使って、海底で1分程度ダンゴを割らずに保持しましょう。

 また、紀州マッハ攻め深場はあまり手にベタベタしない、というのも良い特徴です。あくまでも管理人の感想ですが、その他の市販ダンゴ材は手にベタベタついて払っても全然落ちません。毎回水洗いが必要なくらい手にこびりついてきます。しかし紀州マッハ攻め深場だけは市販のダンゴ材の中でもあまり手にこびりつきません。

 紀州釣りは手が汚れるから嫌だ。そう考えている人もぜひ紀州マッハ攻め深場を使ってみましょう。
 ちなみに、ダンゴ材をヌカや砂を使って自作しても、紀州マッハ攻め深場と同等以上に手にこびりつかないダンゴ材となります。手にこびりつくのが嫌なら、初心者でも自作してしまうのも手です。
 
 自作する場合 →季節や活性にあわせた自作ダンゴ材の配合例


 そのほかの市販品のダンゴ材の注意点として、海水やサナギ粉やアミエビは、必ずメーカーの指示通りに入れることが挙げられます。

 市販のダンゴ材の袋の裏には、必ず使い方が書いてあります。海水を200cc入れてくれ、アミエビを400cc入れてくれ……等。これらの指示を必ず守ってください。

 紀州釣りではちょっとした水分量の違いで非常に釣果が左右されます。管理人もそうでしたが、初心者はそのへんを甘く考えがちです。ダンゴ材3kgの中に、たった100ccの海水を余分に入れるだけで確実に釣果は変化します。これは大袈裟な表現ではなく事実なのです。なので初心者はメーカーの指示通りにダンゴ材を作りましょう。






 

・混ぜ方

 サナギ粉はダンゴ材と混ぜる前に、アミエビや海水と混ぜましょう。そうすることによってサナギが乾燥する前の生の状態に戻って集魚力が上がる……らしいです。(嘘か本当か管理人はイマイチわかりません)
 そしてアミエビを混ぜるときはバッカンに入ったダンゴ材を下へ押し込むようになぜてください。そうするとアミエビが潰れてよく混ざります。ある程度アミエビが混ざったら下のダンゴ材を起こしてどんどん混ぜていきましょう。(下図参照)


 早く釣りがしたい気持ちは抑えて、全体をムラなく混ぜ込みましょう。

 敢えて全体を混ぜ込まずに水分量を変化させながら釣る方法もあります。
 それについてはこちらの記事をどうぞ →アミエビをダンゴ材の上部にだけ混ぜる、その意味







自作する場合の解説

 ダンゴを自作する前に、各成分の特徴を解説します。

 

・ヌカ



 単体では集魚効果はありません。つまり海でヌカだけを撒いても魚は寄ってきません。
 しかしダンゴ材の主成分はこのヌカです。
 お米屋で10キロ100円から300円で買えます。もしくはコイン精米機から無料でゲットできるところもあります。

 くれぐれもAmazonなんかで、1kg700円とかで売ってるヌカは買ってはいけません。それはヌカ漬けなんか作る食品用のヌカなので、釣りに使うには高価すぎます。







 

・砂



 無料で済ませたいなら、目の細かいフルイを買って浜辺で採取するとよいでしょう。

浜辺
フルイ

 ホームセンターでは、主に3種類の砂を売っています。
 海砂、川砂、珪砂(けいしゃ)です。この中で買うとしたら、圧倒的に珪砂がオススメです。

 海砂や川砂はメーカーによって粒子の大きさにだいぶ差があるようです。最悪でもこれはやめたほうがよい、という実例を紹介します。  

・悪い例、粒子の大きい砂
川砂
川砂
 拡大図です。写真だとわかりにくいかもしれませんが、大きい粒子は米粒の半分くらいの大きさがあります。粗挽きサナギなんかと同じくらいの粒の大きさです。紀州釣りでこれを使うと手が痛くなるので避けましょう。

 もっと細かい海砂や川砂、具体的には「公園の砂場にある砂くらいの粒子の大きさ」ならば、とりあえず問題なく紀州釣りをすることができます。しかし……どうせそこでお金を出すのなら、似たような値段でもっと使いやすい珪砂を買いましょう。海砂や川砂は、珪砂がなかったときの妥協案という感じです。

 珪砂は粒子の細かさを号数で表しています。
 5号はだいたい公園の砂場にある砂くらいの大きさで、6号、7号になるとさらに細かくなり、8号にもなるとまるで小麦粉みたいなパウダー状になります。

 細かすぎる砂は握りやすい反面、割れにくくなりすぎたりして、逆に使いづらくなることもあります。
 なので、管理人は現在、5号6号7号を2:1:1でブレンドしたものを使っています(比率の内容を更新しました2023/3/29)。あまりダンゴを握るのが得意ではない人は、細かい珪砂の比率を増やして、5号と7号を1対1でブレンドしたり、自分なりにアレンジするのもよいかもしれません。

 しかし珪砂は顕微鏡レベルで観察すると、角が尖っていて、サシエサ(たとえばオキアミ)に突き刺さるような形で付着しやすく、芯残りしやすいという話を聞いたことあります。(管理人は実際にそれを確かめたことありません)

 紀州釣りにおける最高の砂、と考えたとき、珪砂ではアジャストサンドには敵わないのかもしれません。とはいえ、海砂や川砂よりも圧倒的に使いやすいので、多少お金を出してもよいという人は珪砂がオススメです。
 
 珪砂の販売店ですが、管理人の近所では「コーナンPRO」で販売していました。「コーナン」じゃないです、「コーナンPRO」です。きっと探せば全国のホームセンターで売っているはずです。園芸品ではなく、日曜大工(DIY)のコーナーにあることが多いです。
 通販でも売っているみたいです。→珪砂 7号 25kg

 珪砂  


 

・アジャストサンド

 ホームセンター以外にも、釣具メーカーの釣武者様から砂が販売されています。この砂は特別なもので、紀州釣りには最高の製品です。その名もアジャストサンドです。

 アジャストサンドには粗目、極細ホワイト、深場プレミアムと3種類あって、中でも極細ホワイトと深場プレミアムはまるで塩や砂糖のように粒子が細かいです。
 浜辺で無料で採取できる砂では満足できず、ダンゴを自由自在にコントロールしたい紀州釣り上級者にも必需品の砂と言えるでしょう。

 ダンゴを握ると手が痛くなる人も、このアジャストサンドなら痛くなりにくいそうです。痛くなる人はぜひお試しを。

メーカーリンク →釣武者(TsuriMusha)アジャストサンド






 

・押し麦


 押し麦は業務スーパーで購入するのが最も安いと思います。
 また、押し麦の代わりにもっと安い、鳥のエサを入れてしまう手もあります。
 押し麦にはダンゴに近寄ってきたクロダイを足止めする役割がある……らしいです。
 というのも、管理人は一度だけ押し麦なしで釣りをしたことがあるのですが、そのときも普通にクロダイが釣れました。なので押し麦は絶対に必要な物ではないのでしょう。(管理人は一応毎回入れてますが)





 

・サナギ粉



 大きな釣具店に行くと細挽きサナギと粗挽きサナギの2種類が売っていると思いますが、紀州釣りでは細挽きサナギを選びましょう。砂のときと同じく、ダンゴの成分は少しでも細かい方が握りやすくなるからです。
 サナギ粉は入れれば入れるほど、ダンゴがゴワゴワして握りにくくなる代わりに、芯残りしにくくなるという特徴があります。なので芯残りしたサシエサをよくボラが吸い込むときは、サナギ粉を追加するのも1つの手です。


 また、サナギ粉には集魚効果があります。アミエビを入れなくても、サナギ粉だけでフグやアイゴ、ベラやクロダイなどが寄ってきます。アミエビと違って冷凍物ではないので、後から追加しやすい集魚成分です。

 ちなみに余談ですが、これ、実はカイコのサナギらしいです。シルクの原料として生糸を取られたカイコは釣りのエサとして再利用されていたんですね。





 

・アミエビ



 アミエビは抜群の集魚効果を持っています。以前どこかでも書きましたが、オキアミよりアミノ酸の含有量が多く、いろんな魚を引き寄せます。少量でも非常に効果が高いことが功でもあり罪でもあります。

 まず功罪の「功」を説明します。アミエビは単純な集魚効果があるだけではなく、含有するアミノ酸を吸わせることでクロダイの活性を上げる効果があります。特に冬場など仮死状態に近いクロダイにアミエビを吸わせると仮死状態から起きてエサを食べ出すと言われています。

 次に功罪の罪を説明します。アミエビは入れすぎると逆にクロダイの活性が落ちてしまいます。その原因はいくつか考えられます。(下図参照)


 なので、くれぐれもアミエビは入れすぎに気をつけましょう。エサ取りが多ければアミエビは少量、もしくは入れる必要がありません。






 

・その他



 インターネットで検索すると、この他にも集魚材を入れたりニンニクのチューブを入れたりする人もいるみたいです。その行為自体を否定する気は全くありませんが、初心者の方は真似しない方が良いと思います。
 というのも、たとえば管理人が紹介した材料以外に、集魚材を追加してクロダイを釣ったとしましょう。そうなると、たぶん初心者のあなたは次回もこの集魚材を入れたくなるはずです。ジンクスと言うのでしょうか。集魚材に効果があるのかわからないけど入れないのは不安になる……それが人間の心理です。そして本当に効果があるのか怪しい集魚材に、毎回お金をかけることになってしまいます。

 そうはならないために、だったら最初から余計な物は入れないことをオススメします。大丈夫、安心してください。ヌカ、砂、押し麦、サナギ粉、アミエビ。それだけで十分クロダイは釣れますから。
 ジンクスを増やし過ぎると、釣りが窮屈に、つまらなくなってしまいます。

 自作するときの配合の例は →次のページで解説しています。ぜひどうぞ。

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