【第4章:ダンゴ材②】

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»自分でダンゴ材を作るときは
»配合例:夏や秋の時季
»配合例:春や冬の時季
»はじめての釣り場での配合はどうするか?
   





質問

 自分でダンゴ材を作る場合のレシピを教えてください。

回答

 夏や秋ならヌカ4000cc、砂1000cc、アミエビ200cc、細挽きサナギ粉400cc、押し麦100cc。 これに少しずつ海水を追加して仕上げれば、3時間程度は釣りできます。

詳しい解説

 

・最適の配合


 インターネットを検索すると、自作のダンゴ材はいろんなパターンが紹介されています。ヌカと砂は3:1が良いとか、サナギ粉を多く入れろだとか。

 実はこれら全ては正しく、また同時に間違っています。というのも、本当の正解は「水深やエサ取りの数や季節やクロダイの活性によって、最適な配合は変化する」だからです。
 もっと簡単に言えば「クロダイがたくさん釣れたらそれが最適の配合」なのです。


 配合の実例を紹介する前に、配合についての基本的な考え方を一覧します。

・ヌカ【ヌカは割合が多いほど、ダンゴの沈むスピードが遅くなり、またダンゴが割れにくくなる】
・砂【砂は割合が多いほど、ダンゴの沈むスピードが速くなり、またダンゴが割れやすくなる】
・サナギ粉【サナギ粉は割合が多いほど、集魚力が増し、またダンゴが割れやすくなる】
・アミエビ【アミエビは割合が多いほど、非常に集魚力が増し、またダンゴに水気と粘り気が増す】
・海水【海水は入れれば入れるほど、ダンゴの水気が増し、割れにくくなる】


 そしてクロダイの性質を一覧します。

【魚の活性が高いときほど、ダンゴはゆっくり沈む必要がなく、集魚力は低く、ダンゴは1分程度割れないようにする必要がある】
【魚の活性が低いときほど、ダンゴはゆっくり沈む必要があり、集魚力は高く、ダンゴは2~5分程度割れないようにする必要がある】

(ダンゴの沈むスピードについては【第8章:ダンゴの沈下速度】にて詳しく解説します。なぜダンゴを数分割らずにいるのか、その理由については前項の【第4章:ダンゴ材①】にてすでに解説したので詳細を省略します。)


 ではクロダイをたくさん釣るために、「こういうときはだいたいこんな配合が良いよ」という例を紹介していきましょう。
 これを参考に本当の正解は自分で探していきましょう。


 ・ご注意
 ここに掲載されているのはすべて単位が「cc」です。グラムではありません。つまり重さではなく、体積で分量を量っています。
 百円ショップで売っている、1リットル以上量れる大きなタッパを使うのをオススメします。

計量カップ
(↑管理人が使ってるタッパ。1杯で1100cc入ります。管理人はヌカと砂の比率に関わらず、ヌカ一杯(1100cc)で、夏や秋なら35分~40分、春や冬なら45分~50分くらい紀州釣りをします。だからダンゴ材の準備では、たとえば5時間釣りをする予定なら「たぶん使うヌカの量は7杯程度だな。そして同じ配合のダンゴ材を予備に、さらに2杯持っていこう」という風に計算しています)


区切り


・夏や秋
・数投でダンゴアタリが出るくらい魚が高活性
・水深5メートル程度
【ヌカ8000cc、砂1500cc、押し麦200cc、サナギ粉500cc、アミエビなし、海水少なめ】
 コメント・1分程度海底で持つ、割れにくいダンゴにするためにヌカの分量を多くしています。砂はアジャストサンドの極細ホワイトがオススメ。これでも海底ですぐにダンゴを割られてしまうのであれば海水を足していきます。これで5時間程度は釣りできるはずです。


区切り


・夏や秋
・数投でダンゴアタリが出るくらい魚が高活性
・水深10メートル超
【ヌカ8000cc、砂2000cc、押し麦200cc、サナギ粉500cc、アミエビなし、海水多め】
 コメント・1分程度海底で持つ、割れにくいダンゴにするためにヌカの分量を多くしています。砂はアジャストサンドの深場プレミアムがオススメ。これでも海底ですぐにダンゴを割られてしまうのであれば海水や砂を足していきます。これで4~5時間程度は釣りできるはずです。


区切り


・夏や秋
・一時間程度でダンゴアタリが出るくらいの活性
・水深5メートル程度
【ヌカ8000cc、砂1700cc、押し麦200cc、サナギ粉800cc、アミエビ500cc、海水少なめ】
 コメント・魚を寄せるために集魚成分の分量を多くしています。時季的にダンゴの沈下スピードは気にせずともクロダイは寄るはずです。これで6時間程度は釣りできるはずです。


区切り


・夏や秋
・一時間程度でダンゴアタリが出るくらいの活性
・水深10メートル超
【ヌカ8000cc、砂2500cc、押し麦200cc、サナギ粉800cc、アミエビ500cc、海水多め】
 コメント・魚を寄せるために集魚成分の分量を多くしています。時季的にダンゴの沈下スピードは気にせずともクロダイは寄るはずです。砂はアジャストサンドの深場プレミアムがオススメ。これでも海底ですぐにダンゴを割られてしまうのであれば海水やヌカを足していきます。これで5~6時間程度は釣りできるはずです。


区切り


・夏や秋
・ダンゴアタリがほとんど出ないくらい低活性
・水深5メートル程度
【ヌカ8000cc、砂1500cc、押し麦200cc、サナギ粉800cc、アミエビ800cc、海水少なめ】
 コメント・夏や秋とは言え、低活性ならダンゴをゆっくり沈めてクロダイにアピールした方が良いです。魚を寄せるために集魚成分の分量を多くしています。ダンゴは2~4分で割りましょう。これで7時間程度は釣りできるはずです。


区切り


・夏や秋
・ダンゴアタリがほとんど出ないくらい低活性
・水深10メートル超
【ヌカ8000cc、砂1500cc、押し麦200cc、サナギ粉800cc、アミエビ800cc、海水少なめ】
 コメント・夏や秋とは言え、低活性ならダンゴをゆっくり沈めてクロダイにアピールした方が良いです。低活性なので中層でもほとんど魚がつついて来ないはずなので、ヌカ砂の分量は水深5メートル程度と同じです。魚を寄せるために集魚成分の分量を多くしています。ダンゴは2~4分で割りましょう。これで7時間程度は釣りできるはずです。


区切り


・冬や春
・数投でダンゴアタリが出るくらい魚が高活性
・水深5メートル程度
【ヌカ8000cc、砂1500cc、押し麦200cc、サナギ粉500cc、アミエビ300cc、海水少なめ】
 コメント・高活性としても時季的にクロダイの寄りが遅いはずなので、夏や秋と違ってアミエビを追加しています。ダンゴは1~3分で割りましょう。これでも海底ですぐにダンゴを割られてしまうのであれば海水を足していきます。これで5~6時間程度は釣りできるはずです。


区切り


・冬や春
・数投でダンゴアタリが出るくらい魚が高活性
・水深10メートル超
【ヌカ8000cc、砂1500cc、押し麦200cc、サナギ粉500cc、アミエビ300cc、海水多め】
 コメント・高活性としても時季的に中層の魚は少ないはずなので、水深5メートル程度とほぼ同じ配合です。ダンゴは1~3分で割りましょう。これで6時間程度は釣りできるはずです。


区切り


・冬や春
・一時間程度でダンゴアタリが出るくらいの活性
・水深5メートル程度
【ヌカ8000cc、砂1000cc、押し麦200cc、サナギ粉900cc、アミエビ900cc、海水少なめ】
 コメント・魚を寄せるためにかなり集魚成分の分量を多くしています。時季的にダンゴの沈下スピードをゆっくり遅くするために、ヌカの分量を多くしてます。ダンゴは2~4分で割りましょう。これで6時間程度は釣りできるはずです。


区切り


・冬や春
・一時間程度でダンゴアタリが出るくらいの活性
・水深10メートル超
【ヌカ8000cc、砂1000cc、押し麦200cc、サナギ粉900cc、アミエビ900cc、海水少なめ】
 コメント・中層の魚はほとんどいないはずなので、水深5メートル程度とほぼ同じ配合です。時季的にダンゴの沈下スピードをゆっくり遅くするために、ヌカの分量を多くしてます。ダンゴは2~4分で割りましょう。これで6時間程度は釣りできるはずです。


区切り


・冬や春
・ダンゴアタリがほとんど出ないくらい低活性
・水深5メートル程度
 【ヌカ8000cc、砂800cc、押し麦100cc、サナギ粉1000cc、アミエビ1000cc以上適量、海水なし】
 コメント・海水は入れずにアミエビを入れて水分量を調整します。押し麦も入れる意味があまりないので少なめです。ダンゴの沈下スピードが特に大事です。ゆっくり沈めて、ダンゴは2~5分で割りましょう。ダンゴ自体も小さめが良いです。これで6時間程度は釣りできるはずです。


区切り


・冬や春
・ダンゴアタリがほとんど出ないくらい低活性
・水深10メートル超
 【ヌカ8000cc、砂800cc、押し麦100cc、サナギ粉1000cc、アミエビ1000cc以上適量、海水なし】
 コメント・中層に魚がいないので水深5メートル程度と配合は同じです。ゆっくり沈めて、ダンゴは2~5分で割りましょう。ダンゴ自体も小さめが良いです。これで6時間程度は釣りできるはずです。

区切り


 

・はじめての釣り場でのダンゴ材の配合


 はじめての釣り場で水深も活性もわからなければ、とりあえず以下の配合をオススメします。

・夏や秋
【ヌカ5000cc、砂1000cc、押し麦150cc、サナギ粉800cc、アミエビ300cc、海水はダンゴが握れる程度に少量入れる】

・冬や春
【ヌカ8000cc、砂1000cc、押し麦150cc、サナギ粉800cc、アミエビ800cc、海水はなし】

【どちらの場合でもヌカと砂を1000ccとか少量でいいから袋に入れて持っていくこと】

 この配合で、とりあえず10投して様子を見ましょう。

 全力で固く締めたダンゴが思い通りの時間を保持できない場合(高活性の場合)、少しずつヌカや海水を追加していきましょう。

 逆に、なるべく弱く握ったダンゴなのに、2~3分海底で割れずに持ってしまうほど低活性だった。そんなときはアミエビを200cc足して、その後も状況が変わらなければ、1時間ごとにさらにアミエビを200ccずつ足しましょう。

 ただし、アミエビを入れすぎるとダンゴがベチャベチャになって握れなくなってしまうので、だいたいヌカとアミエビ、5対1くらいが限度です。つまりヌカが5000ccならば、アミエビは1000ccまでしか入れてはいけません。

 限界量までアミエビを入れたのに、それでも状況が変わらなければ……そのまま続けるか、釣り場の変更を検討しましょう。

 はじめての釣り場が良いポイントなのかどうか、それはこちらの記事を参考にしてください。→ポイント選びと時季①

 釣果を最も左右するのは釣り場選び、ポイント選択です。ダンゴ材の調整はあくまでも「応急処置」のようなものなので、ダメだと思ったらすぐに釣り場を変えると良いでしょう。  

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