【第3章:仕掛け①】

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»全体例:1日だけやりたい人、初心者、極めたい人
»ウキ:紀州釣り専用の物を買わなければならない《重要》
»オモリ:ウキの浮力を殺す大きな物は付けない方が良い
»ウキストッパーと潮受けゴム:付けない方が良い理由
   





質問

 紀州釣りの仕掛けはどのようなものでしょうか?

回答

 フカセ釣りの流用で構いませんが、ウキだけは紀州釣り専用の物を買ってください。そして大きなオモリや、ウキストッパーや、潮受けゴム等は付けない方が良いでしょう。

やさしい解説

・タックル例


 個々の道具をひとつひとつ解説する前に、全体のタックルを、それぞれの対象ごとに一例ずつ挙げます。
 念のために書きますが「タックル」とは「体当たり」のことではありません。「釣り道具」という意味です。


・1日だけやりたい人向けのタックル例
説明



・初心者向けのタックル例
説明
(タックル例更新しました。2020/12/14)


・紀州釣りを極めたい人向けのタックル例
説明
(タックル例更新しました。2020/12/14)

 すでに質問の回答でも書きましたが、基本的にフカセ釣りの流用で構いません。ただし最低限ウキだけは紀州釣り専用の物を買ってください。そして大きなオモリや、ウキストッパーや、潮受けゴム等を付けない方が良いでしょう。




詳しい解説

・紀州釣り専用のウキを使う理由


 実は、紀州釣り初心者が最初につまづくポイントがここです。
 初心者は「紀州釣りのタックルはフカセ釣りの流用で構わない」と聞いて、ウキまでフカセ釣り用の物を使ってしまいます。たとえばそれがフカセ釣り用の自立棒ウキだった場合を仮定しましょう。いったい何がマズいのか。
 フカセ釣り用の自立棒ウキは遠投を可能にするために、それ自体に大きな自重があります。その重さはおよそ10~20グラムくらいの自重でしょうか。そのウキを付けてダンゴを放り投げてみてください。ニュートンの運動の第1法則の通り、自立棒ウキは元の場所に静止し続けようとします。するとどうなるか。

 ひらたく言うと、自立棒ウキの重さが邪魔して、投げたダンゴが空中爆発してしまうのです。(下図参照)

説明

 紀州釣り専用のウキは、それが棒ウキでも寝ウキでも玉ウキでも、例外なく軽量に作られています。重さにすると、2~5グラム程度でしょうか。この重さなら、ウキの自重が邪魔することなく、ダンゴがうまく投げられるというわけです。

説明

 というわけで、紀州釣り専用のウキを必ず購入してください。
 寝ウキであれば、一つ600円くらいで購入できるので、1日だけ紀州釣りをやりたい人にはオススメです。

 くれぐれも勘違いしてはいけないのは、自立棒ウキ自体がマズいのではありません。フカセ釣り用の自立棒ウキがマズいのであって、紀州釣り用の自立棒ウキならば全く問題ありません。
 どうしてもお金を使いたくない人は、とにかく10グラム以下のウキを選べば、なんとかダンゴが空中爆発せずに投げられると思います。


区切り


・大きなオモリが要らない理由


 次の画像をご覧ください。これはある雑誌に実際に載っていた紀州釣りのタックル例です。

説明

 まず第一に言いたいのは、管理人は批判をしたいわけではありません。
 このタックルでクロダイが釣れるなら……もっと言えば、釣り人が楽しめるなら、全部OKです!
 だから以下の文章は、あくまで管理人の個人的な意見です。

 中通しオモリ1号といった大きなオモリを付けると、フカセ釣り用の自立棒ウキを付けたときと同じ理屈で、ダンゴを投げたとき空中爆発しやすいマイナス要素があります。

 ……というか、そもそもなぜ中通しオモリを付けているのでしょうか?

 非自立棒ウキの浮力を殺すため? → だったら最初からもっと浮力の少ない紀州釣り用のウキを付けるべき。

 サシエサを早く沈めるため? → サシエサはダンゴに包んで一気に海底に沈める釣り方です。

 仕掛けを真っすぐにしてアタリを出やすくするため? → オモリなしと比べて、アタリの出方は変わらないか、むしろ鈍くなります。
(これについては下図参照)

説明

説明

 つまり管理人の意見としては、ウキの浮力を殺す目的で大きなオモリを付けるのはマイナスでしかない、ということです。

 ただし勘違いしないでほしいのは、オモリを付けること自体を問題にしているのではありません。小さなガン玉をハリスに付けるのは、時として重要なテクニックです。(下図参照)

説明




区切り


・ウキストッパーや潮受けゴムが要らない理由

 その理由を端的に述べると、紀州釣りは仕掛けを流すのではなく、なるべく留める釣り方だからです。

 紀州釣りではダンゴが割れた地点から、1m離れるたびにクロダイが釣れる確率が10分の1になると思ってください。もちろんこれは正確な統計をとったわけではなく、あくまで「そのようにイメージしてください」という話です。

説明


 ウキストッパーや潮受けゴムがあると、その部分が潮を受けて、その分早く仕掛けが流れてしまいます。また、仕掛けの馴染み方も変化し、アタリの出方にも、いくらか影響を及ぼします。
 だからウキストッパーや潮受けゴムは付けずに、より体積の小さいシモリ玉とウキ止め糸でウキの流出防止をするのをオススメします。

説明


 とはいえ、ではウキストッパーや潮受けゴムを付けていると、実際クロダイが釣れないのか、と問うとそうではありません。ウキストッパーや潮受けゴムを付けていても、大きなオモリを付けていても、クロダイを釣ることは十分可能です。

 しかし付けない方がメリットが大きい、と管理人は思うので、この記事を書きました。
 釣りに「絶対」はありません。そこが難しく、また面白いところです。

説明

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