【第２章：ポイント選び②】

　もっと手っ取り早いポイント選びの方法を教えてください。

　知ってる人に尋ねるのが一番早いです。

　ポイント選びは本来クロダイの生態を知って、釣り場へ足繁く通い、はじめて理解が深まっていくものです。
　でも……そんな苦労しないで、楽に釣れるものなら釣りたいですよね。それが普通の釣り人です。
　というわけで、ポイント選びのマル秘、裏技を解説します。



　最速の方法１位
【紀州釣りの上手な友達に教えてもらう】
　ハッキリ言って、これが最善最速の方法です。紀州釣りに限らず、釣りの上手な人は、釣り場の知識も非常に豊富です。そこに例外はありません。なぜなら釣りというスポーツは、釣りの種類に限らず、ポイント選びが最も釣果を左右するからです。すなわち「良い釣果を出す人はポイント選びにも長けている」という論理が成り立ちます。
　しかし身近に釣りの上手な友達がいる人は、きっと少ないですよね。でも大丈夫。まだまだ手段は残されています。



　最速の方法２位
【思い切って渡船に乗って沖堤防へ行く】
　最近の渡船屋さんはとても親切です。釣り方のコツも教えてくれるし、渡船で案内してくれる沖堤防は日本全国ほぼ例外なく一級ポイントです。
　また、渡船屋さんのウェブサイトをチェックすると、よく釣果情報がアップされています。時には「クロダイ２０匹釣った」なんて羨ましい情報もあります。
　初めての渡船利用は不安な気持ちもあるでしょうが、思い切って電話して、乗船方法を聞いてみましょう！　大抵の場合「朝６時に受付事務所まで来て」とか「乗船場所で待っていて」という返事があるはずです。



　最速の方法３位
【釣具店の店員に教えてもらう】
　釣りが嫌いな釣具店の店員さんはたぶんいません。彼らは釣りを趣味として、よく地元の釣り場に通って情報収集しています。また、それが仕事の一部だったりします。
　勇気を出して「紀州釣りに向いた釣り場ありますか？」と尋ねると、良い情報を親切に教えてくれることでしょう。



　４位以降を一覧します。

　・４位…実際に堤防で紀州釣りをしている人が多い場所を選択する。
　手間はかかりますが信憑性は高いです。誰だって全く釣れない場所で釣りをしたくないので、そこは紀州釣りで実績のあるポイントなのでしょう。

　・５位…釣り場ガイドブックを購入する。
　クロダイが釣れる場所だけでなく、カレイやシロギスが釣れる場所も一緒にチェックすると良いでしょう。海底が砂地で、紀州釣り向きのポイントかもしれないからです。

　・６位…インターネットで情報を検索する。
　あまり信憑性はありませんが、水深だけでも情報があったらシメたものです。



　さて、ポイント選びの裏技を解説しましたが、自分の足で一歩一歩ポイント開拓するのが王道ですので、そこのところを間違えないようにしましょう。

・紀州釣りの時期、時季

　ポイント選びの主題とは離れてしまいますが、紀州釣りをする上で、時季もとても大切な要素です。

　通常、紀州釣りは夏から晩秋にかけて盛期を迎えます。
　具体的に言うと、初心者の方が紀州釣りを始めるのは、梅雨の明けた７月中旬から１１月中旬までの間がオススメです。

　もしも冬の時期に始めると、それは非常に難しい釣りとなります。
　ハッキリ言いますが、たとえば２月の紀州釣りは９月の紀州釣りの、およそ５倍から１０倍難しいです。（あくまで管理人の体感の目安です）
　それはつまり２月のクロダイ１匹は、９月のクロダイ５匹から１０匹分釣るくらい難しいという意味です。

　なので、おそらく初心者が冬の時季に紀州釣りを始めても、なかなか釣れず、あまり面白くないはずです。
　また、春の時季も紀州釣りを新たに始めるのに、あまり向きません。
　実は紀州釣りというのは本来「ダンゴに引き寄せて釣る」イメージなのですが、春だけは例外で「ダンゴから流して釣る」イメージなのです。

　つまり本来のイメージで釣りができる夏から晩秋にかけて、釣り始めることを初心者にはオススメします。

　もちろん「紀州釣りをいますぐ始めたい！」という熱意があれば、冬だろうが、春だろうが、いますぐ始めて構いません。
　それだけの熱意があれば、きっと想像を超えた好釣果を得られることでしょう。


　・まとめ
【初心者は梅雨の明けた７月中旬から１１月中旬までの間に、水深５ｍ前後、潮の速さは分速２ｍ以内で、とりあえず根がかりしない、波高の低い堤防の内向きがオススメ！】